脳性麻痺児者の支援

がんばらない子育て システム論に基づいた療育

脳性麻痺児者やそのご家族と出会ってきました。どの親御さんも疲労が…
お子さんを支援するサービスはだんだん増えてきています。しかし、お父さんやお母さんを支援するサービスはほとんどありません。
『親の元気は子の栄養』私の知人の言葉です。
お父さんやお母さんが少しでも楽になれるように記事を更新します。

がんばらない子育て

『親の元気は子の栄養』
ある子ども食堂の責任者から頂いた言葉です。
私はこの言葉にとても共感しています。脳性麻痺児者やご家族向けの勉強会開催を通して多くの方に出会ってきました。出会ったお父さん、お母さんのほとんどが腰痛や肩こりなど。健康の悩みを抱えていました。
医療的ケア児という言葉を中心にしょうがいのあるお子さんを支援するサービスは増えてきましたが、お父さんやお母さんを支援するサービスはありません。
実は多くのお父さん、お母さんが健康に不安や支障を抱えています

お父さん、お母さんの健康状態

大阪府が重症心身障がい児者と家族の状況について調べています。
いくつかのデータを紹介!

・大阪府の重症心身障害児者は8502人(H28年7月1日現在)
・1516人にアンケート。主な介護者は母親が80%(1226人)
・1414人の内24%の人が6時間未満の睡眠時間

H28年7月1日現在のデータです。また、アンケートに回答された多くの方が介護負担を感じているというデータも出ています。
介護負担があり、睡眠時間が短く、腰痛や肩こり。
この現状をなんとかしたいと思っています。
そこで私は…

がんばらない子育て システム論に基づいた療育

これを提唱したいと思います。

システム論ってなに? 怪しい方法? どんなものか分からないから不安

分からないことばかりですよね。
ひとつずつ解説していきます。少々、文章長いですがお付き合いください(^^)/

脳性麻痺って?

脳の非進行性病変に基づく、永続的な変化し得る、運動及び姿勢の異常

脳性麻痺の定義を探しているとだいたいこんな文言が。
私はこの定義をみてちょっと疑問におもったことがあります。
『非進行性病変に基づく、永続的な変化し得る…』

脳性麻痺って良くも悪くも永続的に変化し得るってことは…!

『脳の非進行性病変に基づく』

『脳の非進行性』

 『非進行性』

『非進行性』ということは脳自体は初期から進行しないということです。
進行しないってことは悪くならないんではないのか?
けど、多くの脳性麻痺児者が成長に伴い手術をしないといけなかったり、呼吸器が必要になったりかここで大事になるのが次の文章。
永続的な変化し得る運動および姿勢の異常
脳は変化しないけど、運動や姿勢は変化します。

脳は治らないかもしれません。けど、運動や姿勢は変化し得るんです!

大事なのは『し得る』ということ。あくまでも可能性です。
また、変化は良い変化もあれば、悪い変化もあります。
どうすれば、良い変化を『し得る』のか。運動や姿勢に重要な『筋肉』に着目してみましょう

筋肉が硬くなった状態 『過緊張』『痙縮』

ちょっと難しいはなし(難しいなと感じたらいつでもご連絡ください(^^)/)

制御されていない、ぎこちない動きの要因となる増加した筋の緊張又は硬さ
(痙縮の定義)

「子どもがおもちゃに手を伸ばそうとしたらなかなか上がってくれないんです」
「立ち上がろうとしたら足に力が入りにくそうで…」

筋肉って硬くなったら運動に影響を与えるんです!

「じっとすわってるはずなんですけど、呼吸がくるしそうなんです」
「車椅子に座っていると急に反り返っちゃうんです」

筋肉って硬くなったら姿勢に影響を与えるんです

ここでは『筋肉』に着目してはなしをしています。
全ての原因が筋肉にあると断言はしていません。

「筋肉が硬くならなかったら、楽に生活が送れるんじゃないの?」
「筋肉が硬くならない方法は?けど、脳が原因だから仕方ないんじゃ…?」

『非進行性の病変です。筋肉は変化を与えられるかもしれません』
『筋肉が硬くならないような環境を意識すれば、良い変化が生まれるかもしれない』

このままでは絵に描いた餅のようなはなしです。
「実際、なにをしたらええねん!」という言葉が飛んできそうです…
ここで『システム論に基づいた療育』の考え方が大事になります。

システム論に基づいた療育

ちょっと難しいはなしをします。
日本国内にリハビリテーションの概念が入ってきて、まだ50年くらいです。
それまでに海外では多くの研究者がリハビリテーションについて研究しています。
衣服に流行があるようにリハビリテーションにも流行があります。

①反射理論
②階層理論
③システム論

ちなみに日本人の多くのセラピストは②階層理論の考え方でリハビリテーションに携わっています。
階層理論とは
ざっくりいうと、『脳が全てを制御している。脳が障害されたら、脳を治す治療をしよう』
っていう考え方です。 (専門家の人、注意しないでくださいね。『ざっくりです』)
ここで疑問が…
脳性麻痺は脳の非進行性の病変です。脳って治せるの?
令和に変わった2019年ですが、今でも脳については「8割方は分かっていない」「どこまでわかっているかもわからない」というレベルです。どこま解明されているか分からない脳を治療することができますか?
(脳を治療することを主体的に行っている人は否定しません。一生懸命エビデンスをとろうとしている姿も知っています)

システム論』のはなし

アメリカの理学療法士協会が主催する大きな会議があります。
(リハビリテーションの在り方について議論する場のような)
1967年の会議で『システム論』が提唱されたそうです。

「人間の運動や行動は何らかの課題を遂行している状態であって、その課題達成のためにはいくつかのシステムが動員されたり、組織化されたりした結果、ある行動パターンが生ずる」という考えから、個体と環境との相互作用による運動制御理論を提案している
引用:「中枢神経系に対する理学療法アプローチ 藤田 博暁」
理学療法科学 22(3) 2007年

特に運動行動が単に抹消や中枢から一方的におこるのではなく、中枢神経系を環境に適応する自己調整システムとして捉えている
引用:「中枢神経系に対する理学療法アプローチ 藤田 博暁」
理学療法科学 22(3) 2007年

人間の行動は『運動課題』と『個人』と『環境』の相互作用によって生まれます

むずかしい言葉が続きました。ちょとアイスブレイク。

崖からジャンプ

「この崖からいますぐに飛び降りてください」

あなた今すぐに飛ぶことが出来ますか?
多くの方はできません。それどころか

あとずさりをする。その場にしゃがみ込む。逃げる(笑)

歩くことも出来る、走ることも出来る。けど、今すぐに飛べませんよね。
運動課題は「この崖からいますぐに飛び降りる」
個人因子は「怖い、崖から飛び降りた経験がない」
環境因子は「高い崖」「命綱もない」

運動課題、個人・環境因子が相互に作用した結果後ずさりをしたり、しゃがみ込んだり、逃げます

これがシステム論の考え方です。
あまり、腑に落ちない方も多くいるとおもうのでいくつか例を出します。

システム論に基づいた療育例

運動課題「車椅子に座る」
個人因子「首が座っていない」「自分の身体を支えるのが不十分」
環境因子「身体に合っていない車椅子」

運動課題、個人因子、環境因子を基にどんな行動をすると思いますか?

・車椅子から落ちそうになる恐怖感を持つかもしれません
・恐怖感から全身が硬くなるかもしれません
・車椅子から落ちないように『首を反らせるかもしれません』

これって脳が原因ですか?
車椅子が本人に適合する工夫をしたり
車椅子に座らず、ベッドで安楽に寝る時間を増やしたり
階層理論で考えていると『脳が原因だから仕方ない』だけで終わってしまいます

システム論を用いると他の可能性も考えられます。

歩く練習をしたいから無理やり歩かせていませんか?
お子さんの表情はどうですか?もしかしたらお子さんは拷問されているように感じているかも。

運動課題:布団で寝ている。ものすごく泣いている
個人因子:体温調整が苦手。言葉を発することができない
環境因子:暑い

おおかた、予想はつきますよね。暑いから泣いてるかもしれませんよね。
泣くってエネルギーをたくさん使います。呼吸に必要な筋肉や身体を反らす筋肉がとても働きます。
そんな時間が長く続くと、お子さんの身体はどんどん硬くなってしまうかもしれません。

そんなのいいがかりだ!!

言われたことがあります。あくまでも可能性ですよね。
試してみたらいいんじゃないですか?と答えました。

暑くて泣いてるんなら、部屋を涼しくしてみたらいいし
車椅子が適合していないんなら、適合できる工夫をすればいいし

子どものリハビリテーションの難しさは『未獲得』や『未経験』だと思っています。
高齢者は一度は歩いたり、走ったりを経験しています。
しかし、脳性麻痺児を中心に出生前後に何らかの原因があって、生まれてきたお子さん。
一度も自分で座る経験や立って歩く経験をしてないんですよね。
経験したことのないことを知らない人に強制される
暑いけど、自分で体温調整なんかしたことないし、術も知らない
大人のエゴでリハビリテーションに関わったらだめですよ。

システム論に基づいた療育を実践

はなしがまわりくどい!
よく言われます。だんだんなおしていきますね。
やっと本題です(^^)/。家でどうしらええねん!!

今回は家で簡単にできる筋肉を硬くしないチェックポイントを紹介します

ここで大事な事!

不快な刺激は筋肉を硬くします!

これについては後日紹介します。それでは実践編です(^^)/

なんで泣いてるのを考える

けっこうこれが難しい。
けど、お子さんが泣くっていう行動をしているのには原因があるはずです。
私たちも意味なく泣きませんよね。

・オムツは大丈夫?
・部屋の温度は大丈夫?
・姿勢は苦しそうじゃない?

気温に関しては割愛。
実はすでに多くの研究者が筋肉が硬くなる原因を報告しています。

『不良姿勢』『失禁』『便秘』『痛み』

この4つの不快な刺激は筋肉を硬くすることが分かっていす。
なので、まずはこの4つを確認してみましょう。もちろん、お母さんの負担になってしまうため、強制はしません。

お母さんが自分のできる範囲で無理のない範囲で定期的に室温やオムツの確認をする

長く同じ姿勢でいると疲れますよね。お子さんも同じです。
長く車椅子に座っているなら、ちょっと姿勢を変えてみる

まずはこの4つを確認することからはじめませんか?最初は大変かもしれません…
けど、慣れたらお子さんにもお母さんにも良い変化が生まれるかもしれません!

まとめ

がんばらない子育て。システム論に基づいた療育という小難しテーマで記事を更新しました。
『システム論』という聞きなれない言葉を中心に記事を構成したので、ここまで読み進めることが出来ない人も多かったかもしれません…。
最後までよんでいただきありがとうございます(^^)/
ここまで読んでいただいた方にはお知らせがあります!

2019年6月23日 関西上田法勉強会開催決定(^^)/

愛知県からインストラクターを招いての勉強会を開催します。
上田法は筋肉を和らげることに適した手法です。この勉強会は専門職以外にも
しょうがにのある当事者、その家族、放課後デイの職員など。多くの方が参加できますのでよければ
関西上田法勉強会の詳細はこちらから。
勉強会の申し込みや質問はこちらから(^^)/

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プロフィール

健康相談お兄さん。

子どもから大人まで、しょうがいの有無を問わずに対応。

『生まれてから死ぬまで豊かに生活できるまちづくり』を目指す。

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