脳性麻痺児者の支援

脳性麻痺のリハビリ 尖足編②ハムストリングス

脳性麻痺児者の尖足。前回は下腿三頭筋について紹介しました。
マッサージの方法やトレーニングはどうでしたか。
今回は下腿三頭筋と密接な関係がある『ハムストリングス』について紹介します。
マッサージやトレーニングの方法、家でできるワンポイントアドバイスなど。

下腿三頭筋とハムストリングス

身体を後ろから見た図

膝の下側にあるのが下腿三頭筋
膝の上側にあるのがハムストリングスです。
ハムストリングスは大腿二頭筋と半腱様筋、半膜様筋に分けられます

大腿二頭筋
・長頭と短頭に分けられる
・長頭はお尻のあたりから膝に向けて
・短頭は大腿骨から膝に向けて
・膝の真ん中から外側についている

半腱様筋と半膜様筋
・お尻から膝に向けて
・膝の内側についている

写真を見ても分かるように『ハムストリングス』と『下腿三頭筋』は繋がっています!
脳性麻痺児者の尖足は下腿三頭筋のみの関りでは充分な効果が得られない場合もあります。
ハムストリングスはFascia(一般的に筋膜と訳されている)で多くの組織と繋がっています。
ハムストリングスとその他の組織の繋がりを知ることで効果的な関りに繋がるかもしれません。

ハムストリングスと筋膜

Spiral Line ラセン線

大腿二頭筋 - 内腹斜筋 - 反対側の外腹斜筋 - 前鋸筋

大腿二頭筋 - 脊柱起立筋 - 菱形筋 - 頭板状筋・頸板状筋

大腿二頭筋は筋膜によって腰や背中、首の筋肉と繋がっています。
脳性麻痺児者でみられる姿勢。

足がピンと伸び、膝が曲がって、身体が捻じれている。首は反って呼吸がしにくそう

脳性麻痺児者は単一の筋肉でなく、複数の筋肉を考慮した関りが必要です。
尖足だからといって、下腿三頭筋が原因とは限りません。
もちろん、ハムストリングスが全ての原因にもなり得ません。

私が学んでいる上田法はこれらの複数筋肉に対して同時にアプローチすることができる方法です。
上田法に関しては『上田法治療研究会』というホームページが存在します。
そちらをご覧ください。
また、私は現在沖縄で仕事をしていますが、関西では私の後輩が関西上田法勉強会を引き継いで運営してくれています。

しかし、上田法の習得には時間がかかります。
そこで今回は自宅でできるワンポイントアドバイスを紹介します。

ハムストリングスに着目したワンポイントアドバイス

無理やり膝を伸ばさない

まずは、これからはじめましょう。
リハビリ場面でよく見かけるのですが…

「痛いけど、我慢しましょうね」 「痛いのが良い効果が出ます」

なぜ、痛いのが効果的なのか根拠はあるのでしょうか?

私の意見です。 『痛みは良い結果を生み出さない』
人は痛みを感じると交感神経が活性化します。
血管が収縮し血圧が上昇したり、筋肉は酸素不足になります。
筋肉内の血管が酸素不足になると発痛物質が放出され、痛みを感じます。

痛い!

血管が収縮→血圧上昇→酸欠

発痛物質放出

痛い!!

このように痛みを伴うマッサージやストレッチは、再び痛みを引き起こすことになり、効果的なアプローチにはなり得ません。
関西で行っていたマッサージ教室の参加者にも、「痛いのが良いと思っていました」と
痛くない程度のマッサージやストレッチ実施後の効果を確認すると、理解を得ることが出来ました。

お子さんに痛みが出るようなマッサージやストレッチをしていませんか。
お子さんが泣き続けるようならそれは負荷が強すぎるのかもしれません。

おまけ ハムストリングスが硬くなると 親御さん編

ハムストリングスの奥には『座骨神経』があります。
ハムストリングスが硬くなると、座骨神経を圧迫し足に痺れが出る人もいます。

長時間のデスクワークをしている人
股関節周りの筋肉が硬くなりやすいです。股関節の前側にある筋肉は硬くなりやすく、股関節の後ろ側にあるハムストリングスは筋力が低下します。

ハイヒールを履く機会の多い女性
膝の前側にある大腿四頭筋に過剰な負荷がかかります。
結果、大腿四頭筋は発達、ハムストリングスは筋力低下する可能性があります。

記事でも紹介したように『ハムストリングス』は腰や背中、首にも影響を与えます。まずはハムストリングスが硬くならないようにストレッチを行いましょう(^^)/

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プロフィール

健康相談お兄さん。

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『生まれてから死ぬまで豊かに生活できるまちづくり』を目指す。

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