脳性麻痺児者の支援

脳性麻痺の治療技術 上田法学術集会に参加した感想

上田法って聞いたことありますか? はじめは、脳性麻痺に対する治療技術といて開発されたようです。現在では高齢者や脳血管障害、全身の疼痛など適応は多岐に渡っています。

今回、第28回日本上田法治療研究会学術集会に参加しました。上田法ってどんなもの?効果はあるの?実際にはどんなことをするの?学術集会の資料を基に記事にしました。

上田法という治療法の紹介

脳性麻痺ってなに

脳性麻痺の治療ってどんなものがあるの

上田法ってなに

上田法の詳細

脳性麻痺ってなに?

<概要>

  • 妊娠中、出産前後もしくは生後4週間以内の間になんらかの原因で生じた脳の損傷が原因で起こる運動と姿勢の障害
  • 寝返りやお座り、四つ這いや立ち歩きといった運動の発達が遅れ、これらのスキルを上手く獲得できない
  • 脳の損傷によって脳からの情報が筋肉に伝わらず、動くことが難しかったり、正しい姿勢をとれなくなる

<定義>

受胎から新生児(生後4週)までに生じた脳の非進行性病変に基づく永続的なしかし変化しうる運動及び姿勢の異常である。その症状は満2歳までに発言する。進行性疾患、一過性運動障害または将来正常化すると思われる運動発達遅延は除外する(1968年 旧厚生省脳性まひ研究班)

脳性麻痺は発展途上にある胎児または乳児の脳に起こった非進行性の障害に起因した一群の診断面名であり、障害にわたり残存する姿勢と運動の発達障害で、結果として活動と参加の制約が生じる。しばしば、感覚、知覚、認知、コミュニケーション、行動などの機能障害や、痙攣そして、二次的な骨格筋障害といった数多くの重複障害を持つ(2007年 厚生労働省 改訂版)

▷脳性麻痺は脳になんらかの障害が生じている状態。それにより運動や姿勢に影響が及びます。特徴的な言葉としては「永続的」です。この言葉から症状と付き合っていくことが考えられます。しかし、「二次的な骨格筋障害」に関しては改善できる部分も大きいと考えます。筋肉を良い状態に保つことで運動や姿勢の障害を和らげることも可能であると考えられます。

<分類>

  • 痙直型:痙縮が特徴
  • アテトーゼ型:不随意運動が特徴
  • 強剛型:固縮が特徴
  • 失調型:バランスの障害、運動失調 など。。。

脳性麻痺の治療って?

NUSTEP(Northwestern University Theraputic Execise Project)

  • NUSTEP(1966年):神経系理学療法の技法として、反射階層理論に基づくルード、ボバース、ブルンストローム、ボイタ、PNFなどが採択
  • NUSTEP(1990年):反射階層理論の批判。システム論と運動学習に基づく運動療法へ
  • NUSTEP(2005年):1990年の流れに加えて、エビデンスに基づく理学療法の重要性

▷NUSTEPとは、理学療法について議論をする場のようですね。アメリカで開催されており、よりよい理学療法を提供するために多くの議論が交わされるようです。

▷反射階層理論とは「大脳がすべてを支配している。異常な反射を誘発しているのは大脳が障害を受けているからであり、大脳を治療することが必要だ」※極端に説明しております。

▷システム論とは「筋肉や関節、神経、周囲の環境などさまざまな因子がお互いに影響しあている。脳を治療するのではなく、一つ一つの因子に着目して治療することが必要だ」※極端に説明しております。

  1. 脳性麻痺により運動や姿勢の障害が出現
  2. 時間の経過とともに筋肉や骨格系の障害が出現
  3. 姿勢・運動障害の悪化

この2番目の筋肉や骨格系の障害はなぜ出現するのでしょうか。寝たきりであればもちろん出現します。しかし、それ以外にも。。。

  1. 歩けない・座れない子どもを無理やりその動作をさせようとする
  2. 子どもは恐怖心や痛みでなく
  3. 交感神経の活動が優位になり筋肉は硬くなる
  4. このような関りが長くなると筋肉はどんどん硬くなる。。。

※上記は極端な一例です。しかし、痛みや恐怖心を伴い、子どもが泣きながら行うのは理学療法でしょうか?この場合、セラピストがその子どもの運動や姿勢の障害を悪化させる一つの因子になっている可能性も考えられますね。

上田法ってなに?

  • 痙性麻痺患児(者)の筋の過緊張状態を取り除き、運動障害の軽減と運動発達の促進を図る治療技術
  • 脳性麻痺児の筋の過緊張に対する治療的介入法として、上田正によって開発された運動療法。1998年の第13回日本運動療法学会において始めて、上田正によって発表された。
  • 目的:筋の痙縮・過緊張の状態を軽減する
  • 方法:痙縮・過緊張にある筋を短縮位に、拮抗筋に適度な伸張を加えて、3分間保持する  ※学術集会資料より引用

▷上田法とは筋肉の痙縮や過緊張の状態を軽減する目的があります。簡単にいうと、筋肉を柔らかくすること一つの方法です。上田法を行うことで「歩きやすくなった」、「姿勢が安定した」という声をよく聞きます。しかし、上田法をすればすべてがよくなるわけではありません。筋肉が柔らかくなった結果として上記のような良い反応が生じたと考えます。

▷しかし、筋肉の硬さにより生活に支障が出ているお子さんや大人も多く存在します。そんな方たちにはぜひ上田法を経験してもらえたらと感じます。上田法がすべてではありません。しかし、上田法を知らないよりは知っているほうが良いことがあるのではないかなと思っております。

上田法の詳細

上田法の基本手技

  • 頸部法
  • 肩ー骨盤法
  • 肩甲帯法
  • 上肢法
  • 下肢法

上記5つの基本手技から構成されます。治療の実際については是非、上田法治療研究会のホームページをご覧いただけたら幸いです。

▷特徴としては治療時間は各3分が基本です。その間に筋肉に対して短縮させたり、伸張させたりなどの刺激を加えます。また、方法自体は簡便であり親御さんも手技の取得が比較的容易であることも挙げられます。実際に自宅での自主トレとしてご家族が上田法を施行されている家庭もあります。

【まとめ】

本日は上田法の学術集会の内容を記事にしました。上田法ってどんな治療法なんだろうと疑問に思われている方の参考になればと思います。興味を持っていただいた方は上田法のページをご覧ください。なにかしらのヒントになれば幸いです。

私自身も上田法を学んでいる途中です。今月12月16日は兵庫県尼崎にて障害を持つお子さんやそのご家族向けのマッサージ教室を開催します。興味のある方はぜひご参加くださいね。

今後ともよろしくお願いいたします。

参考、引用文献:第28回 日本上田法治療研究会学術集会資料より

プロフィール

健康相談お兄さん。

子どもから大人まで、しょうがいの有無を問わずに対応。

『生まれてから死ぬまで豊かに生活できるまちづくり』を目指す。

質問や相談、お仕事の依頼はこちらからお気軽に♪♪

友だち追加

YouTubeでストレッチ動画を投稿しています(^^)/