脳性麻痺児者の支援

脳性麻痺の肩関節に対してのリハビリ2-1【おもちゃで遊ぶことができるように】

<おもちゃで遊ぶことが難しい><麻痺があって動かしにくい>

肩が動かしにくいことによって、お子さんの活動範囲が制限されます。またお子さんによっては肩関節周囲が硬くなることにより呼吸を阻害することもあります。
肩関節を柔らかくすることでお子さんがより快適に遊べるように、より楽に呼吸ができるように記事を書きました。

脳性麻痺の肩関節に対してのリハビリ2-1【おもちゃで遊ぶことができるように】
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肩関節はとても多くの筋肉に影響を受けます。今回は<おもちゃで遊ぶ><呼吸を阻害する>ことに主に阻害する2つの筋肉に関して解説します。
マッサージの基本的方法に関してはこちらの記事をご参照ください。

 

【手指屈筋群】

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手指屈筋群とは指を曲げる筋肉の総称です。ここには複数の筋肉が存在しますが、今回は『深浅指屈筋』と『深指屈筋』という筋肉を紹介します。『浅指屈筋』は指の第二関節を曲げる働き、『深指屈筋』は指の第一関節を曲げることに加えて、指の付け根の関節や手首を曲げる働きがあります。

【浅指屈筋の説明】
肘の内外の骨から手首まで付着する筋肉です。この筋肉は他の指を曲げる筋肉や肘を曲げる筋肉の代表である上腕二頭筋とも連結しています。

【深指屈筋の説明】
肘から下の前腕部から手首まで付着する筋肉です。この筋肉は浅指屈筋と同様に上腕二頭筋と付着します。また、それに加えて指を開く際に重要となる親指を伸ばす筋肉や外側に開く筋肉、虫様筋と連結しています。

【手指屈筋群をマッサージする意味】
『浅指屈筋』『深指屈筋』ともに指を曲げる筋肉です。また、2つの筋肉は肘を曲げる上腕二頭筋とも連結しています。そのため、手指屈筋群が硬くなることで<指が開きにくくなる>肘を曲げる上腕二頭筋とも連結しているため<肘を伸ばしにくい>原因にもなり得ます。
また、『浅指屈筋』の深部には正中神経という神経が通っています。この正中神経は手のひら側の親指~薬指周囲に痺れを引き起こす原因の1つです。そのため、美容師やデスクワークなど、指を良く使用する方々の中で指が痺れるといった症状があるとこれらの筋肉がマッサージの対象にもなります。

【手指屈筋のマッサージの方法】
肘から下~手首にかけての筋肉です。指を曲げる筋肉のため、手のひら側に存在します。
姿勢:お子さんが楽な姿勢、ご家族の場合は、手のひらを天井側に向け、肘を軽く曲げた状態
で机に置きます。
方法:マッサージする反対の手のひらを手指屈筋群の上に置きます。その状態で上下左右に豆
腐をつぶさない程度の強さで押してあげてください。ご家族の場合は生活の中で頻繁に
使用する筋肉になります。強く押すことで痛みを生じやすいことが考えられます。豆腐
をつぶさない程度、障子をやぶらない程度の強さを意識してください。

【大胸筋】

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大胸筋は胸の前面に位置する大きな筋肉です。大きな筋肉であるため、首や肩、腹部にも筋肉の連結をしています。肩のみでなく、姿勢にも大きく影響を与える重要な筋肉の一つになります。

【大胸筋の説明】
大胸筋は鎖骨、胸骨、腹筋のあたりから肩にかけて付着する筋肉です。大胸筋は肩を内側に動かすことが主な働きです。また、肩こりや頸部痛の原因となる『胸鎖乳突筋』、肩を上にあげる『三角筋』、頭を持ち上げる『腹筋』と連結しています。また、諸説ありますが、姿勢に重要な『広背筋』にも一部ですが連結しているそうです。※『広背筋』の説明はこちらから。

【大胸筋をマッサージする意味】
上記の通り、頸部、肩、姿勢に影響を与える筋肉です。お子さんの場合、<肩の動かしにくさ><呼吸のしにくさ>に直接影響します。また、腹筋と直接連結しているため、硬くなることにより<背筋が伸ばしにくくなる>原因になり得ます。ご家族の場合、肩関節周囲炎や五十肩など、<肩を動かす際の痛み><猫背>の原因になり得ます。お子さん、ご家族ともに生活に直接影響を与えやすい筋肉です。

【マッサージの方法】
姿勢:お子さんの場合は仰向け、もしくは車いす上、ご家族の場合は仰向け、もしくは椅子
方法:胸の前から腕の付け根の間に手を置きます。手を上下左右に動かしながらマッサージを
します。大胸筋も硬くなりやすい筋肉です。特に麻痺や変形が強いお子さんの場合は痛
みを生じやすい筋肉の1つです。マッサージをされる場合、豆腐をつぶさないもしくは
障子をやぶらない程度の強さを守ることは必須の部位になります。

【まとめ】

今回は肩や腕の筋肉について解説しました。『手指屈筋群』はもちろんですが、『大胸筋』はお子さん、ご家族ともにとても重要な筋肉の1つです。お子さんの場合は<呼吸>ご家族の場合は<肩や首に悩み>を抱える方はマッサージをお勧めします。
※痛みやダルさが長く続いている方は整形外科の受診が先です。理由はこちらから。

【筆者自己紹介】

2013年理学療法士免許取得。その後、上田法・ドイツ筋骨格医学会日本アカデミー・PNFなどの知識や技術を勉強しています。現在は兵庫県尼崎市にて子どもと親のマッサージ教室を開催。

プロフィール

健康相談お兄さん。

子どもから大人まで、しょうがいの有無を問わずに対応。

『生まれてから死ぬまで豊かに生活できるまちづくり』を目指す。

質問や相談、お仕事の依頼はこちらからお気軽に♪♪

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